かけがえのないもの

物心ついた時から隼人を慕い、頼ってくれた瑠奈。

隼人は、そんな瑠奈をいつも側で守ってきた。

留守がちの両親は、初めのうちは幼い二人に留守を任せるにあたってとても心配していたが、

仕事から早く帰ってきた時に隼人と瑠奈が協力して仲良く料理を作っているのを見て、

安心して留守を任せるようになった。

兄妹は、とても強い絆でつながっていた。

だからこそ離れて暮らす今は、

お互いに充実した生活を送りながらも

心のどこかにぽっかりと穴が開いたような

寂しい気持ちを抱いていた。