かけがえのないもの

「お兄ちゃんが私のこと大切に思ってくれてることくらい、とっくに分かってたよ。ずっと一緒だったんだもん。」

「じゃあ…お兄ちゃんを試したんだ…?」

「うん。私なりの、愛情確認でしたー!へへっ。」

無邪気に笑う瑠奈。

その様子に、隼人も自然に頬が緩む。

そして、隼人は瑠奈を優しく羽交い締めにした。

「このー!」

「きゃー!お兄ちゃん離してよー」

子供のようにじゃれあう兄妹の表情は、純粋な笑顔に満ちていた。