「まさか見られてるなんて思わなかったから…すごく泣いちゃってたよ。」

瑠奈は赤い顔を隠すように両手で頬を掴んだ。

「でも…瑠奈は強いんだね。父さんも母さんもいる前では泣かなかったじゃん。」

「迷惑…かけたくなかったから。」

まっすぐに隼人を見つめる瑠奈。

「お兄ちゃんが、一生懸命頑張って大学入ったんだもん。お父さんも、お母さんも、ものすごく喜んでた。」

「うん…嬉しかったよ…」

「だから…私も…お兄ちゃんと離れるのはすごく寂しかったけど、泣いてダダこねてちゃだめだって思ったんだ。」

いつの間にか、こんなにしっかりした考えまで身について…

隼人はとても誇らしく思った。