かけがえのないもの

「期待してるぞ、隼人。」

「あまり無理はし過ぎないようにね…」

「うん…それから…」

隼人は最も気掛かりになっていたことを告げた。

「瑠奈のこと、これからもよろしく。」

幼い頃からいつも自分の側にいた瑠奈。

助け合って成長してきた兄妹。

自分が側にいなくなれば、瑠奈はきっと深い悲しみに襲われるだろう。

「忙しいと思うけど…出来るだけ、瑠奈の側にいてあげてほしい。」

「分かってる。父さんと母さんがあまり側にいてやれなくて、隼人には瑠奈の面倒任せっきりだったからな…」

「隼人は本当に瑠奈のこと大切にしてくれたもの。これからはちゃんと瑠奈の面倒、見るからね。」

両親は頼もしく微笑んだ。