かけがえのないもの

｢瑠奈はネックレスを大切に持っててくれた。それは、絶対に変わらない。そうだろ？｣

涙に濡れた顔をゆっくり上げる瑠奈に、隼人は微笑んだ。

｢お兄ちゃんは、その事だけで十分嬉しいよ。…それだけじゃない。
瑠奈が、もらったものをいつまでも大切にできる子なんだって、今やっと分かった。
お兄ちゃん、すごく鼻が高いよ。瑠奈っていう最高の妹がいるんだから。｣
｢お兄ちゃん…｣

｢だからさ。お兄ちゃんに対して申し訳ないとか思う必要は全くないよ。｣

瑠奈は隼人の胸に顔を埋めた。