瑠奈の死から、一年が経った。

隼人は幾度となく壁にぶつかり、大きな問題にも直面した。

だが、その度に不思議と乗り越えるきっかけが見つかり、挫折することなく進む事が出来た。

アルバイトでは、真面目な働きぶりが評価され、チーフに昇格した。

大学での成績もめざましく向上した。

壁をひとつ乗り越えるごとに、

良いことがひとつ起こるごとに、

隼人は、心地好い風が側を通り抜けるのを感じた。

幸せそうな笑い声が聞こえてくる気がした