首吊り自殺だった。

二宮が新聞配達のバイトから帰った後だった。

彼は中学生までは義務教育の範囲内だったので学校に通っていたが、高校には入る資金も無く、現在17歳、給料が安くすみ熱心に働く労働者が欲しい簡易なバイトを毎日朝から晩までこなしていた。

そんな彼が朝刊の配達を終え、次のバイトまで時間があるので彼は帰宅した所だった。

午前6時の朝日に蒼白な顔をした無残な父の亡骸を二宮は呆然と眺めていた。