「羽夜斗…?どうしたの?

ボーっとして」

「いや、なんでもないよ。

ただ…

せっかく家に帰れると思ったのに

また病院送りなのが嫌なだけさ」

そう言いながら外を見る。

今日も空は蒼く清みきってる…

こんな日には外で

風を感じていたいのに…

それさえできない…

「つまんねぇ…」

そう呟いた僕。

その声が聞こえていたのかは

分からないが、

「今日は調子も良いみたいだから

中庭でも散歩してきたら?」

「先生が許さねぇって」

そんな話をしてると、

部屋のドアが開いた。

検診の時間だ。

医者と看護士が来た。

「こんにちわ、羽夜斗君。

調子はどうかな?」

そう言われ、

血圧を看護士に測られながら

「調子は良いほうです。」

と、答えた。

「血圧も順調です。」

と、看護士。

「よし、今日は天気が良いから

院内なら歩き回っても良いよ。

ただし、無理はしないこと」

そう言われ、

さっきまでの話を聞かれていたのではないか?

そう思った。