抹茶ドーナッツを食べ
ながら入れたコーヒーを飲む
おいしい。
「さっき…、槌谷さんにも声かけたんですけど、いらないって。…」
「ふーん、」
ドーナッツの件で
声掛けただけだったのね
「……何だか上手くいってるみたいで、槌谷さん。」
「そうね、楽しそうね」
俳優との恋…
やっとあの子を
守ってくれる人が現れた
でも いつ離れて
いくか分からない…
余談は許されない。
だから、わたしは
見守ってあげなきゃ
「……ドーナッツ潰れてますよ、町谷さん」
「……え、ああ、」
つい力が入ってしまった。
「あぁやだ、せっかく買ってきてくれたのに…」
工藤君は はいと
ドーナッツを差し出した
「いくらでもどうぞ。もう一箱ありますから…」
「えぇ…っ…」
冷静にドーナッツを持った顔がちょっと可笑しかった
「何笑ってんですか?」
「…内緒。」

