「…なんで?」
「本当の不細工に不細工て言っても分からねぇだろうが…。」
よくわからない。
そういうものかなぁ…
ふっと神田君は笑った
「田中は分からねぇ所だろうな。良かったな、」
「うーん…、顔が綺麗な人でもいい人ならいっぱいいるんじゃない?」
「まぁな…。それより動かねぇなぁ…どうしようか?」
神田君はエレベーターの
ボタンを見ながら言った
「修理の人、手間取ってるのかもねぇ…。仕方ないよ」
「お気楽な人間だな。いまの状況分かってんのか、」
神田君はあぐらを
かきながら 渋い顔をした
「…分かってるわよ…」
「俺がお前を襲っても分かりゃしねぇなあ?」
にんまりと
笑いながら腕を組んだ
「あぁ――!」
「…冗談だよ、」
つい後ろにのけ反る
形で神田君を見た。
「…もしかして男と付き合った事ないのか?へぇー、ふーん…」
珍しい動物でも
見るように私を眺めた
「わ…悪かったわ」

