私はじぃと神田君を見た
後ふんと反らした
「何だよ、」
「明後日だね。シネマ授賞式おめでとう、一応」
まだ神田君が笑い合って
いたのが頭から離れない
「…早いだろ。取るかどうかも分からないのに」
と言いつつ神田君は
嬉しそうな感じだった
誰もいなくなった
会議室は声がよく通る。
「とれるよ。"昭和ラブロマンス"。」
「ありがとう……。熱でもあるんじゃないよな?」
失礼な男だ。
「ないわよ!悪かったわね、日頃いい事言わないで」
くくと神田君は笑った
その時 ドアがノックされた。
「神田さぁん、居ますか?さやですけど…」
甘ったるい声が
外から聞こえてきた
神田君はドアに
近付き小声で話した
「ごめん。今日はこの辺りで…」
「…いいよ。気にしないで」
鞄を持って笑顔で言う

