もちろん学校ではふたりの関係
は秘密な訳で。
生活指導も兼任してる先生は
正門のところで、とびっきりの
甘いスマイルを撒き散らす。
「今日も、和泉ぃ最高♥」
突然わたしと腕を組んできたの
はわたしの親友で心友の桃の花
と書いてモカと呼ぶ川北(かわ
きた)桃花。
桃花とは、幼稚園からの鎖縁。
そんな桃花を始め、学園中の
女の子が中毒にかかってしまう
先生のモーニングスマイル。
「そうだね。」
わたしが、サラッと流すと、
「どうした、星羅!!」
とわたしの肩を揺さぶる。
「ちょっちょっと桃花。」
「だって、いつもなら星羅
の方がキャーキャー言ってた
じゃない。」
そうでした。
ついこないだまで、先生は
先生で、手の届かない憧れの
人で・・・。
でも今は・・・・。
これが、いけないんだ!!
この考えが!!
ハッとしたんだ。
ブルブルとわたしは、左右に
頭を振った。
いつもの通り
いつもの通り。
「そんなことないよ。
先生めっちゃかっこいい。
あのスマイルがあるから1日頑
張れる!!」
これでいい?
大げさだった?
「それでこそ、星羅!!」
バンって背中叩かれて・・・。
「桃花痛い!!」
先に走り出した桃花を追いかける。
わたしってそんなに先生
先生言ってたんだ。
今さらながらビックリ。



