何となく久々なような気もする、保健室。

先生に片思いしてた頃の方が、通い詰めていたっけ。

先生と想いが通じてからは不思議と体調もよくて。


恋は心の病みたいな。

片思い中は、先生に会いたいって思い詰めて、それに体も反応してたのかなぁ?

〝恋ってすごい。〟

なんて勝手に結論付けて見る。


 「おまたせ。」

先生がカギを手に、現れると

 〝ガチャッ〟
とカギを締める。

 「先生達もう帰る所だったよ。今あいさつしてきた。」

 「大丈夫なの?」

 「あぁ。朝まで調べ物って言ってあるし、朝まで誰も来ないよ。」
 
 「誰も?」

 「そう誰も。」

 「何で、ここなの? 」

 「ここがよかったんだ。」

 「あっ!!わたし予約してたんだ。」

 「予約って?」

 「先生の誕生日だからお祝いしたくて。」

 「だから、バイト?」

 「うん。」
小さく頷いた。

 「ごめんな。気付いてあげられなくて。」

 「うーうん。」
わたしは、思いっきり頭を左右に振る。

 「これもありがとう。」

先生の手のひらの小さな箱。

幸運の宝石。
ラピスの石がはめ込まれたネクタイピン。


いつも先生が着用してる白衣にも映えると思って。


実はおそろいなんだ。
わたしもペンダント買っちゃった。