ふたりが乗ったタクシーを見送ると、急に静かになる。

まるで嵐が去った後みたい。

わたしは先生と顔を見合わせ笑ったんだ。


 「行こう!!」

先生がわたしの手を強く引っ張った。


 「えっ!!」

わたしは引っ張られるままに車に乗り込む。

 「先生?? どこ行くの?」

 「内緒。」

 
先生は、真っ暗な道を飛ばし始めたんだ。