「うっ。」
目の前に生徒指導の大園(おおぞの)先生がいて、メガネがピッカっと不気味に光った。
「通報があったんだよ。うちの生徒がここでバイトしてるって。まさかと思って来てみれば。」
なんで、裏にまで入ってくるの?
桃花逃げて~!!
「ここの責任者の方は。」
大園先生が店内を見渡す。
「はい。わたしですが。」
騒ぎに気付いたマスターが店内の奥から駆け付けてくれて。
「うちの学校は、バイト禁止なんですよ。連れて帰らせていただきます。」
「バイトじゃありませんよ。ボランティアさせてるんですよ。まぁお小遣い程度は渡しますけどね。忙しいので親戚の星羅に手伝ってもらってるんですが。学校は人助けも許さないんですか!!」
店長のひるまない態度に一歩引きさがる大園先生。
「そう言われましても・・・。他の生徒に示しがつかないんで。」
「あぁそうですか。悪かったな星羅。 人助けもするなって方がどうかと思いますけど、今日まで手伝ってくれてありがとな。」
マスター??
「これでいいでしょう。この子に責任はありませんからね。」
「まぁそこまで言われるなら。今回は注意という事で。こちらも対応の方を学校の方でも相談させていただきます。」
わたし、どうなるの?
このまま、ここにいてもいいの?
「新垣そういうことなら、今回は仕方ないがそう言う事ならそう言う事で学校に相談してから決めてほしかったな。」
大園先生がメガネを輝かしながらわたしを睨む。
「すいません。」
頭を下げると、渋々諦めて帰っていく。
「マスタ~」
わたし半泣きでマスタ~に寄り添う。
迷惑かけてごめんなさい。
奥の方で桃花がわたしに手を合わせてる。
「事情は桃花ちゃんから聞いたよ。こんな感じでよかったかな?」
マスターが頭をポンって叩いて笑った。
なるほど。
桃花、Thankyou★



