足を負傷した男子生徒の顔を
見ると、星羅がオロオロし始
めた。
一度は俺の方を確認したが、
俺も星羅を相手に出来る状態
ではなくて。
星羅が教室を飛び出て行った
後ろ姿を目で追った。
俺はてっきり、怒って飛び出て
いったのだと思っていた。
でも、それはすぐに間違いだと
気付かされる。
「椎谷君!!」
ハぁ、ハぁ、と息を切らしながら
保健室に駆け込んできた生徒。
見覚えがある。
よく星羅と一緒にいる生徒だ。
「どうしたんだよ。」
「どうしたって。ケガしたって
星羅から聞いたから。」
「情報早っ。ある意味怖いぞ。」
「もう、ふざけないでよ。」
生徒たちの会話から、俺は星羅が
怒ってでていった訳じゃない事が
わかった。
俺は、応急処置を済ませると、
残りの弁当を口に運んだ。



