両手いっぱいの買い物袋。 先生の大好きなものでいっぱい の袋。 それなのに、それなのに・・・。 わたしの前を、勢いよく走り去 る、真っ赤なスポーツカー。 いかにもって女の人が、サング ラスかけて運転してた。 そんなのどうでもいいって。 どうでも・・・。 問題なのは助手席で。 「先生!!」 つい叫んでしまったけど、その 声は先生には届かなくて。 わたしに気付いてた? 一瞬目が合った気がしたけど。 それでも、先生は走り去っていったんだ。