文之は静かに車を走らせた。


車内ではそれっきり二人の会話は無かった。

「おやすみなさい。」
そう言うと葵は静かにドアを閉めた。


やはり文之もショックだったのだろう。


そこに笑顔はなく、「じゃあ。」と小さく手を振っただけだった。

葵、20歳


わずか三ヶ月弱の経験はこうして意外な結末を迎えることとなった。


しかしこれはまだ始まりにしか過ぎなかった。