マンションに戻り時計に目をやると2時を回っていた。


言いようのない疲労感が葵を苦しめていた。

(辞めちゃえばいいんじゃない・・?)

毎日同じ問いかけをする。

何の為かと聞かれたら葵はきっと上手く答えられないだろう。

帰り道に阿倍に買い与えられた菓子パンをかじりながらバスタブに湯をはる。


阿倍はいつもこんな時特に何も聞いてはこない。
例えば、「愛してる?」と聞いたのなら「もちろん愛しているよ。」と答えてくれる。

(私はとても幸せだ)と言い聞かせ、葵は眠りについた。