『桐風ぇ!!!出てこい!!!今日という今日はお前を………!!』


西先生の声が段々小さくなっていく………


そして何も聞こえなくなった時、再び図書室に静かな時間が流れ始めた


まだ……この手は離してもらえないのでしょうか……??


い、息が………!!!


『よし、行ったな』


『んー!!!………んん!』


『あ、忘れてた』


茶髪の男の子はそう言うと素早く私の口を覆っていた手を退けた


よかった……!
もう少しで死にかけるところでした


私はたくさんの空気を吸い込むため肩で息をした


酸素不足でぼーっとしていた頭がやっと働きだす


『ごめんね?大丈夫??』


『はい、大丈夫です』


心配してくださった茶髪の方に私は丁寧に頭を下げる


『いやぁさぁ……髪を栗色にしたらゴリラに捕まっちゃって……』


ゴリラ……???


動物なんてこの学校に居ましたっけ…??


私は訳が分からず首を傾げた


『ん?もしかして……ゴリラが分からないの?』


『あ……はい』


『西だよ!!体育教諭の!驚いたなぁ〜…あのゴリラ顔が分からない人が居たなんて……』


驚きながら感心したように呟く茶髪の彼を見上げて再び首を傾げた