あたしもナッキーもパッと空を仰いだ。 灰色のおぼろげな雲が風に強く押されてどんどん流されていった。 秋だ。 台風がやってきた。 あたしはナッキーに直ると、声をかけた。 「戻ろう。雨が降ってくるよ」 ナッキーは無表情であたしを見てから、ゆっくり頷いた。 あたしはさっきの雷鳴で あたしの闘いの火蓋が切っておろされたのが解った。 ーーーーー ーー