*** ハァ、ハァ、と荒い息遣いが誰もいない階段の踊り場に響く。 ……危なかった。 あのまま高瀬と一緒にいたら、きっと…… ・・・・・・・ 抱き締めていたーーーー……? 「やべ……。最低じゃん自分…」 安藤は階段に座り込んで頭を掻きむしった。 高瀬は、希(のぞみ)のような魅力はもっていない。 希はどちらかというと、守ってやりたくなるタイプ。 誰か、縋(すが)る人がいないと生きていけないような、良く言えば『か弱い』女。 悪く言えば『ひとりで何も出来ない』人間。 反対に、高瀬は……