私にはあまりに遠くに感じていたものが、端が綻びているハンケチに包まって落ちてきた。

朱い紅いいびつな実の香りが全て新鮮で、私は貴方になら体を預けても良いとさえ考えた。

貴方もきっと、此の実のようにまばゆい香りをしているのだと決め付けて、袂に木の実を忍ばせ、一日を過ごしたりもした。

貴方がくれる世界がどんなに私を支えたか、貴方は識らない。

窓の外の世界、貴方はあの萌える草木と共に輝いて、眩しさに目を細めては貴方に心奪われた。

貴方なら沢山の不可能を可能に染めてくれるだろう。

私へ伸びる手が私に重なる手になるだろう。

私もきっと貴方の許へ指を伸ばすだろう。