お前のためなら死んでやる2


幸せそうに、手を繋いで帰る彼らに俺は背をむけた。

「―――っそ、なんでだよ。なんで、俺を好きになってくれないんだ…」


“ハル”

五十嵐がソイツに言った言葉を最後に俺は、今の現実から逃げた。

総長という座からも、

GOD-1の皆からも、

リョウやシュンからも、

神への誓いからも、

五十嵐からも、

俺は逃げた。

乗って来た単車で、

遠くへ、遠くへ。

誰からも見付からないように。

俺は、逃げた。