「あの、社長……。」


「ん?ああ……村上さん。」


「あの……やっぱり、私……諦めきれません。」





支店長を務めてくれている村上さん。





今までに何度も告白され、結婚後も子供達を連れていても構わないらしい。





「紗衣ちゃん、鈴ちゃん、お兄ちゃんとご飯買いに行こう。」


「うん……。」


「りん、ケーキ!」


「ケーキは最後にしよう?」


「いやっ、もうおにーちゃきあい!」


「えぇっ、お兄ちゃん鈴ちゃん大好きだよ。」


「やー!さえちゃ、おにーちゃめっすゆー。」





鈴は紗衣にしがみつき、中村が落ち込んでしまった。





「悪い、少し見ててくれ。」


「はい、任せてください……。」





子供に聞かせる話じゃないと察した中村だが、鈴に嫌われてしまい落ち込みながら子供達の元へむかった。