すると、彼女も駆の横に座って、一緒に優しい笑顔を赤ちゃんに向けた。


一瞬、未来の2人を見たような気がした。


あと何年後かに結婚した2人は、あんな風に優しいまなざしで自分たちの子どもを見守るんだと思う。


2人ともいいパパとママになりそうだ。


きっと家庭はものすごく明るい。


「また妬いてんのかよ」


その声に勢いよく斜め横を見ると、勝ちゃんがからかうような笑いを浮かべてこっちを見ていた。


ほら、彼ならあたしの視線の先にあるものを見て、意図も簡単に話題を作れる。


「別に…妬いてないよ。って言うかそんな時期はもうとっくに終わりましたー」


「そうでしたか」


「そうですー」


また沈黙が来るかなと思ったけれど、勝ちゃんがそれを追い払った。


「あいつら、結婚したらあんな風になりそうじゃねぇ?」


その言葉に、思わず声が大きくなる。


「それ、今、あたしも思ってた!」


「マジで!?」


同じ景色を見て、同じことを思うなんて運命、なんて舞い上がる気持ちを抑えられず、それは笑顔となって表れた。


あぁ、あたしは勝ちゃんのことが本当に好きなんだと深く深く実感した。