「元カレには言うことねぇってよ」


勝ちゃんがそう言うと、駆は胸を押さえて、「今のマジ、グサッときた」なんてその場を明るくしていた。


「きっと愛生が助けてくれたのね」


千津ちゃんは病室の窓から見える空を見上げて言った。


「そうだな」


「お前、愛生に感謝しろよ?」


「愛生の分までしっかり生きなきゃね」


100%に近い確率で助からない事故だった。


けれど、あたしは助かった。



アイチ。


アイチも絶対に幸せになってください。


絶対、絶対。