そこまで言うと、彼女はいつもの笑顔に戻った。


「まぁ、安心してよ。後ろに人乗せてる時は絶対に事故んないから」


それについてはとくに心配していなかった。


もし本当に運転技術がなかったら、彼女は絶対にあたしを乗せたりはしない。


何より彼女は自分のせいで人を大変な目に遭わせるのが大っ嫌いなんだ。


あたしを乗せるのにもそれなりの覚悟を持って、運転しているはずだと思う。


「全然心配じゃないよ。だってアイチは絶対にあたしを守ってくれるもん」


本音だった。


彼女はいつだってあたしを必ず守ってくれる。


「当たり前じゃん」


アイチは笑顔でそう言った。


そんな彼女にあたしは今日1番の疑問を投げかけてみる。


それは昨日の夜からずっと気になっていたことだった。


「どうして今日は乗せてくれたの?」


誘われた時から本当に不思議で仕方なかった。


あたしが乗せてと頼み倒して、彼女が根負けしたんならともかく、昨日は突然、彼女の方から言い出したんだ。


そこには何か理由があるに決まっている。