小さい頃に習うこと、大きくなってわかること



もしまだその気持ちを持っていてくれるなら、あたしの告白は成功する。


けれど、3ヵ月だ。


この3ヵ月の間にはいろんなことがあって、もしかしたら考え方なんかも少しは変わっているかもしれない。


何よりあたしは3ヵ月も待ってもらえるほど、いい女じゃないんだ。


また恐怖に負けそうだった。



横に並ぶ勝ちゃんをチラッと見る。


あたしの普通じゃない態度で、もう何を言われるのかわかっているのかもしれない。


心なしか、彼の表情も固く、緊張しているような気がした。



いよいよ橋に差し掛かると、あたしはすぐ、普通に歩く勝ちゃんに遅れを取った。


言わなきゃ。


今、伝えなかったら、勝ちゃんとの距離はどんどん離れて行ってしまう。



けれど、勝ちゃんのことしか考えられなかった頭の中に、なぜかお母さんが現れた。


幼いあたしにとってすべてだったお母さん。


すべてだったのに、あたしを置いて出て行った。


あたしが「大好き」って伝えた次の日に。



負けちゃダメ。


今はそんなこと考えちゃいけない。


勝ちゃんは違う。


あたしの気持ちを受け止めて、明日からもずっと側にいてくれる。


「真海子?」