女子校の角でみんなと別れる時、あたしはまた多部ちゃんのことを思い出した。
けれど、明日1日我慢すれば、もうこの秘密も秘密じゃなくなる。
「じゃあ、また明日な!」
「おやすみ~」
口々にそう言ってから、二手に別れる。
あたしの方には今日もまた勝ちゃんがいた。
今日は心の準備ができていたおかげで、とくに焦ることなく、隣を歩くことができた。
「最近、仕事どう?」とか、「昨日のテレビ、おもしろかったよね」とか、ありふれた世間話で盛り上がる。
そうだ、あたしたちってこんなだった。
普通に話せるようになったことが嬉しくて、もっともっと話していたいと思った。
橋の手前までは。
勝ちゃんに告白された橋を渡る時、やっぱりあたしたちの間には変な空気が流れてしまう。
今までスムーズだった会話もたどたどしくなって、楽しめた話題もあまり弾まない。
そんな空気を明日に持ち越さないように、あたしは明るさを意識して手を振る。
「じゃあ、また明日ね」
「おう、明日な」
結局、何も話さないまま橋を渡り切ると、お互い最後に「おやすみ」と言って歩き出した。
