小さい頃に習うこと、大きくなってわかること



見ていた、と言っても、もう見始めてから1時間以上は経っている。


目を閉じても5枚のすべてを思い出せそうだ。



それもそのはず、写真はどれを取ってもいいものばかりで、決めようにも決められない。


「マジでどうする?」


「どうしよっか」


「う~ん」


さっきからこんな会話の繰り返しだ。



シルエットにする写真を持って来ることが決まった時、あたしは迷わずディンゴが写っているものにしようと思っていた。


アイチにとってディンゴは本当に大切な存在だったし、彼女は今、ドッグトレーナーを目指している。


そうと来れば、ディンゴが一緒に写っているものしかない、と思って、この1枚をアルバムから抜き取ってきた。


けれど、その考えはみんなも同じことだったらしく、今日持ち寄った5枚すべてにディンゴが写っていると言う、ある意味、運命的な結果になってしまった。



そのせいもあって、バースデー会議は難航してしまったんだ。


「どうしよっか」


「やっぱこれかな」


駆が1枚の写真を手に取る。


シーやんが持ってきたそれは、あたしもいいんじゃないかと思っていたものだった。


みんなも口々に賛成する。



ファミレス閉店の午前2時。


やっとのことで、写真が決まった。