アイチの運転する自転車の荷台が、これほどまで心地の悪い日もないと思う。
隠し事をしていると、もうそれだけでこの場の居心地が悪い。
それもバースデープロジェクトみたいな明るい隠し事ならいいけれど、今日の昼、多部ちゃんに言われたことはとても明るい隠し事とは言えない。
あの後、3人で会う日を3日後に決めた。
多部ちゃんがファミレスからアイチにメールをして、見事、帰る前に返信が来た。
その時もあたしは裏切っているような気がして、いい気はしなかった。
本当は今、この瞬間にでも話したい。
1分1秒でも黙っているのは嫌だ。
たとえ何日黙っていたって、今回のあたしの立場が立場なだけに、アイチは怒ったりしないとは思う。
けれど、あたしの気が済まない。
裏切っているようで気分が悪いんだ。
「どうした?」
「え!?」
「何か嫌なことでもあった?」
ま、まずい。
「全然。ただ暑いだけ」
へへっと笑ってみたけれど、アイチにそのごまかしは通用しない。
「話した方が楽になるよ~」
笑ってこそいたけれど、あたしが隠し事をしていることにはばっちり気付いている。
