小さい頃に習うこと、大きくなってわかること



「告白します。たとえ気持ちを伝えなかったとしても、あたしはもう好きになっただけで愛生先輩を裏切ったと思ってますから。今まで通りでいたいなんて虫が良すぎます」


その言葉で彼女がどれほど駆を思っているのかがわかった。


「とりあえずアイチに話そうよ」


正直、今、こうしている間も、秘密にしているようで嫌だった。


「真海子先輩、一緒にいてくれるんですか?」


「いる、いる」


当たり前だ。


ここで帰ったら、それこそまた話がゴチャゴチャしてしまう。


まるで逃げたようになってしまうし。



けれど、多部ちゃんはカバンからスケジュール帳を取り出した。


「先輩、いつ空いてますか?あ、それとも先に愛生先輩の予定を聞いておいた方がいいですよね?」


「今日、話そうよ。多分、アイチ、家にいるし」


あたしは慌ててそう言ったけれど、彼女はそれに頷かなかった。


「今日はちょっと…ちゃんと話すことをまとめてからにしたいんです」


「今、あたしに話してくれてたので十分まとまってたよ」


「いえ、それじゃダメなんです」



その後も何とか説得を続けたけれど、彼女は結局、最後まで頷かなかった。


「少しでいいから時間をください」


真剣にそうお願いされたあたしは、仕方なくそれを飲むしかなかった。