ただ1つ、ものすごく感じていたのは、この事実をアイチに黙っていたなら、間違いなくあたしは裏切り者になってしまうと言うこと。
何が何でもそれだけは絶対に嫌だった。
「とりあえず、まずはちゃんとアイチに話すべきだと思う」
それが1番いい方法だと思った。
役に立てなくて申し訳ないけれど、あたしにはそれ以外、何のアドバイスもすることができない。
ここはアイチに直接話してしまった方が絶対にいいと思った。
彼女ならわだかまりを残さないうまい対応がきっとできるはずだから。
「やっぱりそうですよね。あたしもちゃんと愛生先輩に話してから、とは思ってました。ただ…」
多部ちゃんは少し黙っていてからうつむいたままで言った。
「愛生先輩とは今まで通りではいられないですよね」
それはない、と思った。
けれど、念には念を、万が一、そう言うリスクも考えておいた方がいい。
「そうだね。もしかしたらそうなるかもしれないね」
多部ちゃんは「そうですよね」と呟いた後、ただじっとコーラのグラスを見つめていた。
「それでも駆に告白するの?」
こっちを見た多部ちゃんの目に迷いはなかった。
