多部ちゃんは自分の周りにバラを飛ばす勢いで駆のカッコいいところをしゃべっていた。
頬をほんのり赤くして、目をキラキラと輝かせて、その場の空気をピンク色に染めていく。
彼女の話はなかなか終わりを見せなかった。
フレンチトーストが運ばれてきて、さらにそれを彼女にも半分分けて、あたしがドリンクバーでアイスティーを取ってきても、まだ彼女は駆のカッコいいところを話していた。
「駆先輩はあたしが今まで見てきた男の人の中で1番男らしいです。何より本当に優しいんですよ。あの優しさに女だったら絶対クラッときちゃいます」
じゃあ、あたしは女じゃないな。
そんなうっとりした乙女の表情に水を差すようで申し訳ないとは思ったけれど、現実を述べさせていただくことにした。
「駆はね、誰にでも優しいんだよ」
小さい頃からずっと一緒に育ってきたから、それだけは言える。
彼は誰に対しても優しいんだ。
それを知れば、この恋心も少しは冷めるんじゃないかと思った。
けれど、無駄だった。
多部ちゃんは声を大きくして言う。
