小さい頃に習うこと、大きくなってわかること



「えぇえぇっ!?ちょ、ちょっと待って…」


もう完全に頼れるカッコいい先輩にはなりきれない。


頭の中は動揺を通り越してパニックだ。


待って、待って、待って、待って。


伝える?


駆に?


いや、でも…


「駆は絶対にアイチとは別れないし、惑わされもしないと思うよ?」


「わかってます。それでも気持ちだけは伝えたいんです」


彼女をここまで夢中にさせる魅力が、駆のどこにあるのか疑問だった。


「駆のどこがそんなにいいの?」


素直にそう聞いてみると、多部ちゃんは照れたような笑みを浮かべて、コーラのグラスに刺さったストローを意味もなく、ぐるぐると回す。


「まぁ…初めて見た時からカッコいいなぁとは思ってました。それで、話していくうちに本当にいい人なんだなぁと思って。気付いたら好き過ぎるほど大好きになっちゃってました」


そう言って笑う多部ちゃんは、誰が見ても恋する乙女だった。


「幼なじみの真海子先輩にはわからないと思いますけど、駆先輩って本当にカッコいいんですよ?バスケうまいし、背高いし、おもしろいし、何より本当に優しいんです」


はぁ…そうですか。