「今回のプレゼント、これはどうでしょう?」


テーブルの上に広げられた紙には、「バースデープレート」と書かれた商品が載っていた。


ガラスでできた四角いプレートに、ピアノを弾いている女の人のシルエットが描かれている。


チェリーはその部分を指差すと、さらに詳しい説明をしてくれた。


「ここのとこ、好きな写真からシルエットにしてくれるみたいなの」


その下にはメッセージや名前も入るみたいで、写真立てみたいに置いて飾ることもできるし、壁に掛けることもできると、商品の紹介文がアピールしていた。


「愛生ね、この前、写真立てが壊れちゃったって言ってたの。だから今、棚の上に何も飾れてないらしくて」


一瞬、ポルターガイストの後みたいになっていたあの部屋が頭に浮かんできたけれど、それ以上は考えないようにした。


「これなら飾れるし、ぴったりじゃないかなぁって」


全員一致で賛成だった。



このバースデープレートを飾って、みんなで撮った写真も飾って、元より賑やかな部屋を作ってもらおう。


そうだ。


何度壊されたっていくらだって作ってやる。


アイチもあたしも、あんな男に絶対に潰されない。


それだけは心の中で強く思った。