「だから、その理由を聞いてるんですけどー」
「…かっこいいから」
「…」
彼女は何か言う代わりにあきれた視線をこっちに向けた。
やっぱりあたしの単純な頭じゃ、彼女の固いガードを崩すことなんてできない。
アイチは自転車にまたがると、もうバイクに関する話をやめてしまった。
代わりに、昨日の話を持ってくる。
「昨日のこと、千津ちゃんはもちろん、みんなにも絶対内緒ね?」
絶対、のところに力が入っていた。
昨日のことはやっぱりみんなにも秘密らしい。
けれど、話せば何か彼女を救う方法が見つかるかもしれない。
1人の頭より6人の頭の方がその可能性も高くなる。
だからあたしはそれを勧めた。
「みんなにも話した方がいいよ」
できるだけ真剣な声でそう言ったけれど、やっぱり彼女の「みんなを悲しませたくない」と言う考えは変わらない。
「絶対内緒ね?」
結局、あたしはそれに頷くしかなかった。
