小さい頃に習うこと、大きくなってわかること



思わず声が大きくなってしまう。


感情をうまく抑えることができなかった。


「何でアイチがこんなことされなきゃいけないの!何で!何で!」


まるでかんしゃくを起こす子どもみたいだと思った。


行き場のない思いは悔しさに変わる。


悔しい。


悔しい。


自分が何もできないことが。


アイチを救う方法を見つけ出せないでいることが。



アイチはその優しい目であたしを見ると、落ち着きのあるゆっくりとした声で言った。


「大丈夫。あたしは絶対に腐らないし、負けることもないから」


その笑顔が悲しかった。



残酷なことをされ続けるアイチと、それをどうすることもできない自分。


理不尽なこの状況を打開する方法がわからない。


足下にある割れた写真立ての中では、あたしたちナシラと勝ちゃん、駆が楽しそうな笑顔を浮かべていた。