小さい頃に習うこと、大きくなってわかること



これだけわくわくさせておいて、まさかの外出中らしい。


それなら仕方ない。


せめてテーブルの上にでも置いて帰って、彼女には地味に1人で驚いてもらおう。


ポケットから合い鍵を出して、鍵穴に差し込む。


そのまま回すと、中でカチャッと軽い音がした。


鍵を抜いて、ドアノブを自分の方に引いてみる。





不審に思った。


今ので鍵がかかってしまったようだ。


と、言うことは最初から鍵はかかっていなかったことになる。


けれど、開けっ放しで外出中なんてことがあるんだろうか。


鍵をかけ忘れたのかもしれない。


いや、それよりもさっきのインターホンが聞こえなかったのかもしれない。


3回は押したのに?


いや、もしかしたら寝ているのかもしれないし。


いろいろな想像が次々に出て来たけれど、何より頭の中にあったのは、何かあったのかもしれない、と言うことだった。


合い鍵を鍵穴に差し込んで、もう1度、さっきと同じことを繰り返す。


ドアノブを自分の方に引くと、今度はスッとドアが開いた。



そこに広がっている光景に、心臓が痛いくらいに波打った。