本当はあの男の住む街になんて、1歩だって近寄ってほしくない。
けれど、そんなあたしの意見に左右されるほど、アイチは適当な気持ちであの街には行っていないし、それだけの思いがあるから、殺したいぐらい憎い相手の住む街にも入っていくことができるんだと思う。
「今度から行く時は事前に言ってよ?」
アイチが心配させないように気を使っていることはわかっていた。
けれど、もしも何かあった時のために事前に言ってほしかった。
「大丈夫だって。もし会ったとしたって、あんな男、一発だよ、一発」
「それでも言って」
「何、その彼氏チックな束縛~」
「うるさい、言え」
「何、その強制~」
結局、彼女はエッグに着く前に、次からの事前報告を約束した。
