地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

羞恥心に耐えること数分──。


陸の行為が終わりました。


「杏」

「はい……」


真っ赤だけど、名前を呼ばれたから……顔を上げる。


「俺はもう気にしてねぇから。まぁ、最初はちょっとショックだったけどな」


そう言って、ポンポンと頭を撫でられた。


「ごめんなさい」

「もういいよ。つーか、謝るってことは……」


陸の中であとに続く言葉に、コクリと頷いて……視線を合わせる。


「彼氏が陸なんだってこと……周りに言っていいよ」


女同士の争いに巻き込まれたって……もう気にしない。

ぜ〜んぶ戦ってやるもん。

イジメられたって、陸の隣に別の女の子がいるよりいい。


……大学内じゃ、みんなの王子様なんだろうけど。

ふたりっきりの時は、あたしだけの彼氏だし!