陸に何を言われても仕方ない。

それだけのことをしたんだもん。


ギュッと目をつむる。


すると……今まで膝にあった温もりがスッと離れた。


「え……?」


ウソ……キラわれた?


握りしめてる陸の服をさらに握る。

い、行っちゃやだ……。


ヒドイこと言われるよりも、閻魔大王になって怒られるよりも……陸が離れてくことがイヤ。

大好きな陸を失いたくない。

別れたくないっ……!



「やっ! 行っちゃダメっ!!」



離れたくない一心で、目の前にいる陸に抱き着いた。


「ヤダっ……別れたくない。キライにならないで……」


陸の胸に顔をうずめる。

目に溜まった涙が頬を伝った。

ヒクッ……ヒクッ……と肩が上下する。


すると。


「……キライになるわけねぇだろ」


甘くて優しい声が聞こえた。