杏に引っ張り出された自分の右手を見た。
……なんか……悲しいんだけど。
グーパーグーパーを繰り返して、悲しさを紛らわす。
「え? ホント? うんうん」
杏ちゃんは俺に背中を向けて通話中。
電話の相手は、朝比奈みたいだ。
聞こえて来た声でわかった。
「わかった。ありがとうね、零ちゃん」
話し終えたのか、杏が携帯を耳から離す。
そして、クルリと振り返って言った。
「りー。昼からの講義中止だって」
「なんで?」
「教授が体調不良なんだってさ。零ちゃんが教えてくれた」
マジ?
昼からヒマになったじゃん。
突然の講義中止の知らせに、このあとどうするかを考える。
しかし。
昼からの予定は、杏の一言で決まった。
「りー? 昼から時間あるなら、うちに来ない?」
……なんか……悲しいんだけど。
グーパーグーパーを繰り返して、悲しさを紛らわす。
「え? ホント? うんうん」
杏ちゃんは俺に背中を向けて通話中。
電話の相手は、朝比奈みたいだ。
聞こえて来た声でわかった。
「わかった。ありがとうね、零ちゃん」
話し終えたのか、杏が携帯を耳から離す。
そして、クルリと振り返って言った。
「りー。昼からの講義中止だって」
「なんで?」
「教授が体調不良なんだってさ。零ちゃんが教えてくれた」
マジ?
昼からヒマになったじゃん。
突然の講義中止の知らせに、このあとどうするかを考える。
しかし。
昼からの予定は、杏の一言で決まった。
「りー? 昼から時間あるなら、うちに来ない?」