地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

そして、講義が終了し……昼休みになった。


「杏樹ちゃん、今日こそ一緒にご飯食べようよ」


教科書を鞄の中に入れていると、聞こえた声。

杏はなんて返すんだろうか?


チラッとふたりを見る。


「ごめんね、先約があるから」

「……っ……」

「じゃあね」


ペコッと橘修平に頭を下げて、慌ただしく教室を出て行った。


ひとり残されたヤツは、また右手を強く握りしめてる。

杏に断られたことが、相当悔しかったらしい……。

フン。

俺の女を落とそうなんて、お前には100年早いんだよ。


心の中でガッツポーズをして、周りの女たちをまきながら……裏庭へ向かった。


10分ほどで着いたのだが。


そこで待っていたのは───……



「勘弁しろよ……」



無防備にも、ベンチでうたた寝をしている杏の姿。