地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー


「付き合って長い?」

「う〜んと……あれ?いつからだっけ?」


指を折って数えてる杏。

おいおい、2年半だろーが。


「う〜ん……2年半かな」

ようやく計算が済んだのか、答えた。


杏が、10月で19になったら、もう3年になるんだよな……早い。

まぁ……高校が色々とありすぎて、早く感じるのかもしれねぇな。



「彼氏って大学生?」

「うん」


コクリと頷いて見せる。


彼氏……ここにいますけど?


「ふ〜ん……」


杏の返事を聞いて、穏やかそうに微笑んでいる橘修平だが……。



ヤツの右手が、強く握られているのが見えた。


まるで……見えない杏の男に対して怒りを込めたように。



アイツ…………気をつけとくか。



そう思ったと同時に、教室内に講師が入って来て講義が始まった。