地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

いや、今も見えてるかな。

「……杏樹」

「ん?」

「大丈夫よ、バレたって血祭りには絶対ならないから」


ニコッと微笑んで告げた。

滝本くんといる時の杏樹は、すごく幸せそうだし……ふたりを見てたら、入り込む隙はないって思う。

逆に、バカップルすぎて……お腹いっぱいになるしね?


「だと良いけど」

「なるわけないわね、アンタたちふたりは。まぁ、呼び出されたら術でも使って返り討ちにしなさいな♪」

「……」


私の提案に、ポカンと口を開けてる。

あらあら……美女が台なしじゃない。


「とにかく杏樹、血祭りの前に……彼氏の存在を隠された彼の気持ちを考えなきゃダメだからね」


“付き合ってることを言いたくない”って愛する彼女に言われたら、理由はどうであれ……ツライよね。

逆の立場なら、わかるよね?