地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

入学式で新入生代表挨拶をしたことで、大学内に顔と名前が知られたこと。

毎日毎日キレイな女の子達に、囲まれていること。

色んなお誘いが絶えないこと。

とても……近づける環境じゃないってこと。

陸から、一度付き合ってることを周りに言おうと言われたけど、イヤと返したこと……など。



隣に、陸のことで騒いでる子たちがいるから小声で伝えた。


あたしが話す間は、ずっと黙って聞いてくれてた柚莉。

終わると、紅茶を口に運んだ。



「……ふ〜ん」


柚莉の第一声は、“ふ〜ん”。


「ゆ、柚莉?」

「杏樹」

「は、はい……」

「アンタは、あの人の気持ち考えてないでしょ?」


カチャっと、ティーカップをテーブルに置いた柚莉。


……陸の気持ち?