地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

顔を柚莉の方へ向けると……。


「ヒィッ!!」


思わず悲鳴を上げる。

だって……に、睨まれてます!!

な、なんで!?


「杏樹? どういうことかしら?」

「はへっ?」


柚莉さんの問い掛けが理解出来ずに、首を傾げた。

あたしの表情を見た柚莉は、大きなため息をつく。


「……彼と付き合ってること、周りに言ってないの?」

「……あっ」


そ、そういう質問だったんですか……。



あたしが陸の彼女であることは……大学内じゃ、会長と零ちゃんしか知らない。


「はい……誰も知りません」


小さな声で俯きがちに答えた。


「はァ!?」

「あひぃっ……!!」


さらに睨まれて、変な声が漏れてしまう。


「どうしてよ!」

「……」


怖いよっ、柚莉さん!

睨みの迫力にビビりながらも、ポツリポツリと交際を秘密にしている理由を話した。