ここら一帯を地響きが襲う。

立っているのが、やっとなほど。


「我が霊力を持って……主へ還せ――――!」


呪詛のまっ黒な炎を、橘に向かって放った。


「うわああああああーーーー!」


呪詛は、ヤツの体へと入り込み、苦痛を与える。



その瞬間。


裸で、身長は小さく、手足はやせ細り……腹部だけが異様に膨らんだ餓鬼が、橘のまわりに群がった。


「命だけは、助けてやる」


餓鬼のひとりがそう言うと、橘に襲いかかる。






「ギャアアアアアアアアーーーーー!」



倉庫内に、ヤツの絶叫が轟いた――――。




群がっていた餓鬼が、いなくなった時には、橘はその場に倒れていて。




それを見て。




「お、終わった……?」




仕事が済んだということが理解できた。





――ペタン……





その場に座り込み、全身の力を抜く。